TP23 屈曲隣地解析概論
TP-PLANNER
ユーザーメニュー
サポート日記検索
サブメニュー
サポートセンター
TP-PLANNER 体験版
新着ダウンロード
開催予定のセミナー
サイトマップ
提携先各社
|
建築企画CAD TP-PLANNER
月間 不動産鑑定2003年5月号 |
前回は天空率の効果、天空率計算の基本的な考え方を解説いたしました。
天空率を採用する事により土地の有効活用に大きな影響を及ぼす事が理解いただけたと思います。
天空率の採用は従来の斜線規制の目的である「市街地における通風、採光を確保する事」が変わったわけではありません。斜線制限に適用する建物を想定する事によりそれらの目的を考慮します。
従来の斜線規制では単に高さ制限の線分を想定しその線分以下に建物の高さを設定する事で目的を満足しましたが、天空率の採用によりさらに空を広く確保するという新しい概念が付加されたと考えます。
さて今回は天空率計算の運用方法、高さ制限建物の作成方法、および算定線の発生方法を解説します。
従来の斜線規制を理解しないままいきなり天空率ではわかりにくいと思われますが、本シリーズの最後に従来の斜線制限の基本を掲載する予定です。その際に天空率の運用との比較で記述いたします。
天空率の運用
天空率計算による比較は道路斜線、隣地斜線、北側斜線が対象になります。
日影規制、高度斜線、などは対象外です。
したがって、日影規制がある用途地域においては前回の共同住宅の事例の様に、北側および東西方向の建物の形状は日影規制で確定し、天空率計算の対象は南側の境界線だけになります。
(東西方向に住居系で狭い道路がある場合その道路斜線の影響を受ける可能性はあります。)
また東京地区において1種高度は厳しい規制です。その為、北側斜線の前に1種高度をクリアーしなければなりません。1種高度以下の建物高さに天空率を使用する事はあまり意味のある事とは思えません。
高さ制限が条例で設定されている場合、その高さの範囲内での適用になります。
ただし、それらの高度地区が無い行政区において低層住宅地で北側斜線が多少オーバーしている場合などは、天空率で比較する事によりその部分をカットする必要がなくなり、住宅メーカーなどにとって営業戦略的にも大いに影響を受けます。
その様な事を考慮しますと、天空率の採用で最も効果が期待できるのが日影規制、高度斜線の適用がない商業地域です。今回の建築基準法改正では、「容積率の選択肢の多様化」が採用され都市計画では商業地において1300%の指定が可能になります。(住居系でも500%が追加されています。)
これらの容積緩和をうけた地域において、従来の斜線規制が存在したままではまさに死文化してしまいますが、天空率を採用する事によりそれらの容積を満足した建物想定が可能になります。
実際、ディベロッパーなどにおける運用事例でも1月の施工以来商業地での天空率による建物の計画見直しが多くみられます。
さて、天空率の運用ですが各斜線規制はその規制毎で天空率適用の有無を決定します。
これはたとえば道路境界が複数ある場合、特定の道路境界のみ天空率を適用する事は認められません。
すべての道路境界を天空率で比較する必要があります。
従来の斜線制限で、あきらかにクリアーしている道路境界でも天空率を比較する必要があります。
(従来の斜線規制でクリアーしている場合、計画建築物が斜線高さ制限建築物の高さ以下になる為、計画建物の空が広くなり天空率比較では必ずクリアーします。)
ただし、その場合でも斜線規制種の違う隣地斜線は従来の方式で行う事が可能です。
その他、従来の斜線規制では建築面積1/8以下の面積、12m以下の建築物は算定する必要がありませんが、天空率計算においては計画建築物にそれらを含み計算します。
隣地の既存建物は日影規制同様考慮する必要はありません。
|
NEXT
|
|