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■レベル１：敷地条件のみで想定建物を判断する場合
＊道路境界線や隣地境界線ぎりぎりの敷地いっぱいに（もしくは一定の後退距離を考慮して）、斜線制限および逆日影規制の両者に 抵触しない建築可能な空間ボリュームを把握し、階高を設定したブロック図等によるフロアごとの面積から、最有効使用となる建物 を想定する場合です。
＊ある程度、繰り返し経験を踏めば十分想定建物のボリュームの適否を判断できますが、自信がない場合や経験が浅い場合は、や や時間と手間がかかりますが、次のレベル２まで検討することを勧めます
＜留意事項＞
＊ＣＡＤに着手する前に、整理しておくべき主なチェックポイントは次のとおりです。主要なポイントのみで、その他のポイントは省略して いますので注意してください
＜チェックポイント＞
�‖仂歟呂僚蟶澆鳳�じた緯度は？（日影計算に必要）
�∪騎里壁瀉老曽�と縮尺、方位は？（正確でない場合依頼者の了解も必要）
��セットバックを要する場合の有効面積は？
�ぢ仂歟脇發烹械蹐鯆兇┐觜眥禳垢呂覆い�？
�ジ従�の道路幅員を前面道路としてよいか？（道路管理者への確認が必要）
�ζ団蠧始�までの距離は？（複雑な場合は建築指導課へ確認）
��隣接地と接面道路との高低差は？
�╂遒筝�園等がある場合の斜線制限の緩和は適用可能か？
��対象地を含め周辺地域に日影規制はあるか？
��地区計画や建築協定など地域特有の規制はないか？
■レベル２：想定建物の配置計画および駐車場計画を検討して判断する場合
＊レベル１の結果をもって配置計画を検討します。このとき、敷地内に配置する駐車場の各スケール（駐車部分の幅や奥行き、車路幅員）に配慮しながら、建物の奥行き（特に共同住宅の場合は注意）を決定します。いわゆる等高線図から想定建物の大まかな外枠についてブロックを積むように作成し、容積率の消化率などをみることで計画の妥当性を検証します。
＜留意事項＞
＊容積率のみに着目していると、基準容積率は達成できても建物として機能しない建物となり大きなミスを犯します。例えば共同住宅 の場合、フロア面積の大きい奥行きの長い正方形の建物を想定しても、居室に有効な採光を得ることができず現実的でないことにな ります。
＊逆に、斜線制限の緩和を受けるために、無理な後退距離を設定すると、フロア面積が小さくなります。タテ方向の動線（コア）を配置 すると、著しくレンタブル比の悪い建物を想定してしまうミスも発生します。
＊適正な後退距離の設定であっても、最上階付近では斜線制限により壁面後退を強いられるフロアもあり得ます。フロアの規模やレ ンタブル比等から経済合理性を検討し、そのフロアを計画するか否かを決定すべきです。
＊レベル２の検討とはいえ、詳細な平面計画まで行ったわけではありません。ブロック積みでの面積表は、非常にラフなもので、建築 の専門家からみれば「参考になる程度」の目安でしかありません。この点に十分留意して鑑定評価ではその数値を使用することが 重要です。
＜チェックポイント＞
�．侫蹈¬明僂竜�模は適正か？（地域水準の把握）
��駐車場台数は満足できたか？（条例や地域水準の把握）
�０貭蠅離譽鵐織屮詒罎�ら把握される共用部分の規模は十分か？
�ぬ明冑修凌�値を再検討して鑑定評価に使用する必要があるか？
■レベル３：平面計画を試行して想定建物を判断する場合
＊レベル２までの一連の作業を行い、建物の形状、配置の目安を決定してから、レベル３の作業を行います。
＊本シリーズでも解説したように、建築計画の知識や建築基準法の避難規定など、やや専門的な知識と細かい法的な検討を要します。ただし、鑑定評価の建物想定という目的からすると、全く建築不可能な平面計画は問題外ですが、デザインに凝った平面計画である必要はなく、一般的な平面計画で、通常の技術で建築可能な建物であれば、十分です。
＊レベル３段階の面積表は、より精度が改善されたものですが、そのままの数値を鑑定評価に採用するには危険な場合があります。特に、機械設備関係に必要な部屋の面積は、高度な専門知識を必要としますので、特に大規模な建物になるほど必要な面積の想定は困難になります。
＜留意事項＞
＊事務所ビルでは、２方向避難を確保する場合、階段の数が２以上となり、場合によっては階段を結ぶ廊下も必要となるなど、コア部 分を中心として共用スペースの計画も重要となります。
＊共同住宅では、第4回のシリーズで詳細に解説したように、住宅としての商品価値を高めるために、間取りや日照・通風に配慮した 平面計画が求められます。
＊各フロアの平面計画も重要ですが、地下階等の設備階の計画も重要です。建物の規模からみて、必要となる機械設備の諸室の全 体ボリュームをつかみ、１フロアで配置できるのか一部機能の各階への分散配置が可能なのかなどは、各階および全体のレンタブ ル比に影響します。特に、駐車場の確保のため地下２階・地下３階に設備階を配置すると建築コストに影響しないか検討が必要にな ります。
＊レベル２と同様、平面計画の精度に応じて面積表の検討が必要です。
＜チェックポイント＞
�。科�向避難の確保は必要か、また階段の数は満たされているか？
�⇒囘咾鳳�じて各階のレンタブル比は適正か？
�Ｍ囘咾鳳�じて建物全体のレンタブル比は適正か？
�ぬ明冑修凌�値を再検討して鑑定評価に使用する必要があるか？
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