2005年 8月
東日本建築教育研究会 法規委員会の会員参加型講習会「日影図および天空図作図講習会」を開催。
以下、東日本建築教育研究会 建築ニュース P.15 より抜粋
8/3(水) 東京都新宿区高田馬場 (株)コミュニケーションシステムに於いて、「日影図および天空図作図講習会」を主催した。
開催場所は、講習内容の際に使用する PC 設備の関係上、当初予定していた(株)週刊住宅新聞社から当該場所へ変更したものである。
講師には有名建築雑誌への解説協力や設計事務所などへ講習経験豊富な比嘉 昇秀氏を招聘し、参加者 13 名で実施。
本テーマについては、平成 15 年 1 月に施行済みの「天空率」制定の概要把握および建築法規のみならず実習・課題研究などの授業での指導を行えるための実施と位置付けている。
「天空率」は法56 条第 7 項により斜線制限（道路・隣地・北側）を受ける建築物の採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が当該位置において確保されるものとして政令で定める基準に適合する建築物については斜線制限の適用を除外するものである。
質疑応答で講師のコメントとして
「今後の建築計画においては天空率を用いない計画は考えられない。」
との通り、実務での使用頻度は圧倒的に旧来の斜線制限より多く、建築業界へ生徒を送り出す我々教育側のものが当該内容を理解・指導することは必須条件である。
なぜならば、ここ数年地価下落が叫ばれていたが 15 年の天空率制定後、段階的に地価上昇の兆候が見られる。
理由としては様々であるがデベロッパなどが天空率を活用し都市再開発を後押ししていることは歴然であり都市部の高層物件（ 特にマンション物件） の盛況ぶりは言わずもがなである。
規制緩和の波にのっていくには従前の斜線制限にとらわれていては、企業として死活問題なのである。
企業のみならず法的整備側である自治体は、その地域性に沿った整備を行っている。
特に敷地入隅部における適合領域の解釈は、東京都方式、 JCBO （日本建築行政会議）準拠方式などがある。
また、今回、日影図をセットで講習会内容としたのは、前述の通り天空率は日影規制には適用されないため建築計画を行う際に、従前規制されている日影規制を把握・理解することは実務上の初歩的事項である。
数々の設計事務所や不動産関係への講義経験上から講師曰く
「大手設計事務所やデベロッパの社員でも実践的日影規制(逆日影含む)の基本事項を理解していない人が非常に多い。
これでは天空率を活用しようといっても無理であり、まずは、基本的かつ最重要事項の日影規制を理解することが先決である。」
、との通りに、午前中から午後冒頭にかけて日影規制の教科書的な説明ではなく、実務実践的な解釈（日影図と逆日影の作図実習）の講義を受けた。
原文：http://www.geocities.jp/hn_kkk/kennews17.pdf
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
 
|
||||||||||||||||||||||||||||||
